日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18=花巻東)に、私生活面で特別ルールが設けられた。千葉・鎌ケ谷でスタッフ会議に出席した栗山英樹監督(51)は25日、大谷に対し、外出制限を課すことを明かした。この日、本人にも直接通達された。野球に集中できる環境を整えるとともに、人間的にも手本となるスター選手へ、成長させたい考え。来月、沖縄で行われる春季キャンプを含め、当面は適用されることになる。

「エース兼4番」。二刀流という壮大な夢を実現するために、栗山監督は大谷に厳しい特別ルールを課した。キャンプを含め、当面の外出制限だ。「食事で外に一切出さない。(投手と野手)2つやるつもりなら、やらなきゃいけないことがある。絶対に出るなとは言えないけど、(外出するなら)オレに許可を取れと。誰とどこに行くかをね」。高卒新人は3人いるが、ルールが適用されるのは大谷だけだという。

野球に打ち込む環境をつくるとともに、人間的な成長を促すのが狙いにある。プロ野球選手、特に注目ルーキーとなれば、近寄ってくる人物も多くなる。喫煙なども含めて、しっかりとした生活を送ることが超一流選手の最低条件。指揮官は「ファンに不快な思いをさせることはよくない。若いときに教えていかなければならないことがある。厳しい大学の野球部の1年生だってそうなんだから」と説明した。

栗山監督の口から直接通達された大谷は、真摯(しんし)に受け止め、自覚はすでに十分だ。在学している花巻東高も、カラオケ、ゲームセンター禁止など、厳しい校則がある。「今までもそうやってきたし、特別(な感情)にっていうのはないです。(外に)出なければトラブルもないでしょうし。しっかりやる以上はしょうがないし、逆に制限された方がいいのかなとも思います」。野球に没頭する覚悟を決めている。

監督、コーチ陣が集結したこの日のスタッフ会議では、キャンプ2軍スタートとなる方針が確認された。注目度はますます高まるが、大谷自身は、前日24日には新人合同自主トレ初のブルペン入りも果たし、この日はグラウンド上での初めてのノックなど、周囲の心配をよそに順調に体作りに励んでいる。「しっかりとやって、学ぶところは学んで、(1軍に)上がれたらいいです。チャンスがあればアピールしていきたいです」。頭の中はすでに、野球のことでいっぱいだ。【本間翼】