阪神が両リーグ20勝に一番乗りした。緊急事態宣言を受けて甲子園での広島戦は今季初の無観客試合。無人のスタンドを前に投打に競り勝った。ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)に4月までの新人最多本塁打記録を更新する8号は出なかったが、5回に適時打で貢献。首位快走の立役者の立派な1人になっている。29試合目での20勝は2リーグ分立後で球団最速タイ。ゴールデンウイークも勝ちまくる!。
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無人のスタンドに録音された応援歌が響く中、佐藤輝が1点をもぎ取った。2-0の5回無死一、二塁。九里の外角ツーシームを引っ張ると、しぶとく一、二塁間を破り、二走大山が生還した。「追加点が欲しい場面。間を抜けてタイムリーになってくれて良かった。いいヒットだったと思います」。梅野も適時打で続き、2得点。8回に2点差に迫られ、結果的にこの2点が逃げ切りに効いた。
この日から甲子園は、緊急事態宣言を受けて無観客試合。バックネット裏の座席には、子供たちが直筆でメッセージを書いたユニホームが並べられた。「さとうせん手、ホームラン王をきたいしています」。その中、佐藤輝に向けられたぬくもりある言葉に4月24日DeNA戦以来、21打席ぶりの適時打で応えた。「ファンの人たちがいないと寂しい。テレビ越しでも元気をもらってくれる、そういうプレーをしたい」。球場で再会できる日まで、画面越しに快音をお届けするつもりだ。
背番号8の活躍に導かれ、チームは03年以来、18年ぶりに両リーグ単独で20勝一番乗りだ。29試合目での到達は2リーグ制後の球団最速タイで、4月までに到達したのは球団史上初めて。歴史的進撃は止まらない。矢野監督も「もちろん一番を目指してやっていますし、何でも一番というのはうれしい」と喜び、「タイガースの野球というのは、つなぐ野球とか、挑戦する野球とか、走り切る野球とか、そういうことを選手が理解して、全力で取り組んでくれている結果」と続けた。
佐藤輝は3回の二塁打と合わせて5試合ぶりのマルチ安打。指揮官は「シーズンに入ってようやく壁にぶつかったと思うけど、その中でもテルらしさは出ている部分もある」と成長ぶりを認める。7回にはフェンス際の大飛球をジャンピングキャッチし、守備でも魅了。打って守って、ルーキーがシーズン1カ月を終えた。「開幕した時はピッチャーの攻めに苦しんだ時もありました。だんだん慣れてきたところはあるんですけど、まだまだ。これからもっと打っていけるように頑張ります」。また新たな決意で、5月の戦いに挑む。【中野椋】
▼阪神が20勝に両リーグ一番乗り。74、03、14年に次いで4度目。直近の14年5月4日は、広島と同日の到達だった。単独での一番乗りとなると、セ・リーグ優勝した03年の5月5日以来18年ぶりとなった。また、4月終了時点での20勝は球団初。08、14年の19勝を超えた。
▼阪神は29試合目での20勝到達。2リーグ分立後では球団最速タイで、08年5月3日中日戦に勝って20勝に達したときと並んだ。1リーグ時代を含めた最速は24試合目で、37年秋、38年春の2度。
▼これで4月は、球団5位タイの月間17勝で終了。2リーグ分立後のチーム月間勝利数上位は、19勝2度(64年8月、68年8月)18勝2度(03年5月、14年4月)17勝4度(72年5月、06年9月、17年8月、21年4月)。
○…甲子園での無観客試合は昨年7月9日の巨人戦以来となった。聖地から歓声が消え、矢野監督は「昨年やった違和感を思い出した。ファンの皆さんがいないのは本当にさみしい」と戸惑いを感じつつ、コロナ禍の中で野球ができることに感謝。「場所や環境が変わったからって、俺らの野球は変わるわけではない。楽しみに見てくれている人はいるだろうし。いろんな人に元気を送るっていうのは、また意識する1日になりました」。無観客は2日までの広島3連戦と11日の中日戦が対象となっている。



