悔しさを一振りに込めた。ソフトバンク上林誠知外野手(25)が、今季初スタメンで反撃ののろしをあげる1号2ランを放った。

1-5の5回。前打者の周東が出塁し、二盗を決めた後の無死二塁で、則本昂の直球を右翼ホームランテラスへ運んだ。「真っすぐをうまく反応して振り抜くことが出来ました。先頭で佑京(周東)が塁に出てくれて、足でプレッシャーをかけてくれていたので打席の中で助けられたところが大きかったと思う」。2点差に詰め寄る今季初アーチを喜んだ。

春季キャンプから好アピールが続けていたが、オープン戦後半に打撃の調子を落とし、開幕右翼を栗原に譲った。悔しさを胸に、ウエスタン・リーグでは打率2割6分9厘、2本塁打、12打点の成績。3日に1軍へ昇格し、この日が初スタメンだった。

3回の第2打席でも、1死一塁で左中間への適時二塁打を放った。「今季初先発の試合、何とか追いつき、勝ち越せるように頑張っていきます」。2軍からはい上がってきた男が、逆転勝利への道しるべを作った。