今季から就任した西武高橋朋己アカデミーコーチは早朝6時半、埼玉・熊谷市の妻沼(めぬま)小へ車を走らせた。

球団が18年3月に立ち上げた地域コミュニティー活動「L-FRIENDS」の一環として、ベースボール・チャレンジ(野球の授業)を行うためだ。到着すると、ライオンズのパーカに着替え“選手”たちと向き合った。1コマ45分の授業では、4年生と5年生にボールの捕り方と投げ方を指導。最後は実戦形式を行い、質疑応答では質問に丁寧に耳を傾けながら、答えた。

自らお手本を見せると、子どもたちから自然と歓声が沸き上がる。昨季まで現役だったプロの迫力はまだ健在。「いかに野球を楽しく感じてもらうか」がモットーだから、試行錯誤しながら子どもたちに伝えていく。「自分には3歳の息子と5歳の娘がいますが、よく一緒に野球をして遊ぶんです。うまく投げられた時、そして打てた時は『100点』とか『花丸』とか言って褒めると喜びます。やっぱり自分のこどもにも野球を好きになってほしいですから」。野球という共通項があれば、どんなときでも、マウンドで見せていた熱い姿勢は変わらない。「トモミー」の挑戦はまだ始まったばかりだ。