阪神ドラフト5位村上頌樹投手(22)が、ウエスタン・リーグ広島戦(甲子園)に先発し、プロ入り最長の6回を投げ4安打無失点に抑えた。この日の最速は146キロ。「調子もあまり良くない中だったんですけど、打者のみなさんに助けてもらったり、木浪さんが声をかけてくださって、しっかり投げることができて良かったです」。走者を背負っても落ち着いて直球、スライダー、チェンジアップで組み立て、時折90キロ台のスローカーブも挟み、的を絞らせなかった。

4回1死満塁のピンチでは、8番矢野を92キロのスローカーブで追い込むと、123キロのチェンジアップで空振り三振。9番持丸は一転、2-0から直球を3球続け、2者連続空振り三振で切り抜けた。「自分を生かしてくれたのは(捕手の)長坂さんなので、長坂さんに助けてもらったっていうのが一番です」と感謝した。

智弁学園時代の16年センバツで優勝投手となっており、懐かしの聖地のマウンドで躍動。「やっぱり甲子園のマウンドって自分の中で、いい経験、いい思い出しかないので。そこにまた戻ってこれたっていうのは本当に良かった。やっぱりちょっと緊張したというか、足が震えたりもしました」と感慨深げだった。

平田2軍監督も「伊達にセンバツ優勝したり、東洋大で投げてない」と絶賛。「ピッチングを知ってるよ。そういうところのすべて兼ね備えてるわね。クイックも、けん制もできるしさ。そんなところで何の心配もいらないよね」。大卒右腕に賛辞の言葉が止まらなかった。練習試合を含めると3度目の先発登板で、確実に前進している姿を見せた。【中野椋】