今季3度目の5連敗を喫したDeNAだが、今季初出場となった伊藤光捕手(32)の復帰は明るい材料となった。14年目のベテランは試合前に「今日が自分の開幕なので、出場したらどんな状況でも頑張りたいと思います。キャッチャーらしく状況判断をして、勝つための策をしっかり考え、それをプレーに生かして結果につなげたいです」と意気込んでいた。

5回に代打で登場した。試合前に三浦監督が「守備もだけど、打撃も粘り強く攻撃してくれると報告を受けている。1軍でも出してくれると思う」と期待した通り、中日先発小笠原から、この日チームで初の四球を選んで出塁した。

8回の第2打席では、より強い光を放った。中日の3番手祖父江の1ボール2ストライクから135キロのチェンジアップを打った。左翼席上段へ飛距離127メートルの特大1号ソロに「何がなんでも出塁しようと思い打席に向かいました。打った瞬間いい手応えだったので、ホームランになると思いました」。19年7月7日巨人戦(東京ドーム)以来2年ぶりの1発を振り返った。三浦監督は「状態がいいと聞いていた。光の開幕で1打席目もしっかり出塁してくれて、ホームランも出て、これからやってもらうことを期待しています」と目を細めた。

守備面でも、ベテランらしい好リードを見せた。マスクをかぶった6回以降、登板した3投手(平田真吾、三上朋也、砂田毅樹)はいずれも無失点。三浦監督は「投手の良さを、いいところを引き出してリードしてくれた」と高く評価した。DeNAの防御率は12球団ワーストで唯一の4点台となる4・64。今季ワーストタイとなる借金16となったが、今後は経験豊富なベテランに、マスクを託す場面が増えそうだ。【斎藤直樹】