ソフトバンクがミスをはね返し、接戦を制した。今季最多で、19年9月24日楽天戦以来の1試合3失策。守備の乱れもあったが、同点の9回に代打長谷川の犠飛で決勝点を奪い、引き分けを挟んで4連勝とした。今季初めて西武にカード勝ち越しを決めた。工藤公康監督(58)は「勝ちきるというのが大事なんでね、こういうゲームで最後にああやってね。勝てて良かったと思いますよ」と振り返った。

珍しいプレーから試合が始まった。初回の守備、1死二塁の場面だ。森のゴロを投手松本が捕球し、三塁へ送球。二、三塁間で走者を挟んだが、挟殺プレーが乱れた。走者は三塁へ進み、打者走者の森が二塁でタッチアウト。プレーが終わったと思ったそのときだった。三塁にいた走者源田が本塁へスタート。なんと、バッテリーの松本と甲斐はどちらも三塁におり、本塁カバーが不在でがら空きになっていた。まさかのプレーで先制点を許した。

2点をリードしていた7回には、2死一、二塁で二塁を守る周東がゴロをファンブルしこの日2個目の失策。満塁のピンチを招き、続く愛斗の適時打で同点に追いつかれていた。勝ち試合をミスで手放しかねない嫌な展開だったが、持ち前の終盤の粘りでなんとか勝ちきった。指揮官は「エラーはあるんでね。大事なのは出たとしても、後で引きずらないように。明日も試合があって、これからも試合がある」と、気持ちの切り替えを強調した。【山本大地】