1年7カ月前は…。楽天島内宏明外野手(31)が風速10メートル超えの強風を味方に、6号3ランを放ち、チーム首位キープに貢献した。

5回、ロッテ石川から左翼席へ4戦ぶりの1発。“島内語録”としてファンに人気の試合中配信コメントで「1年と7カ月ぶりに芯に当たりました」と自画自賛。リーグ打点王に躍り出た好調の4番が、チーム今季最多15安打、同タイの13得点を引き出した。

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2021年5月21日、ZOZOマリン。島内が久々の感覚を手にした。3点リードの5回2死一、三塁。石川の外角高めツーシームを強振した。風速計は左翼から本塁へ11メートルを計測。だが、ライナー性の打球はバックネットからはね返った追い風に乗り、上空でグンと伸びた。左翼席上段へ3ラン。球団広報から配信されたコメントには「1年と7カ月ぶりに芯に当たりました。以上です。(真顔で)」と書かれていた…。

そこで、時をさかのぼってみた。約1年7カ月前は19年10月。島内はソフトバンクと敵地でクライマックスシリーズ・ファーストステージに臨んでいた。全3戦にスタメン出場し、結果は9打数1安打5三振4四球。ちなみに1安打は二塁内野安打だった。

試合後、真意を明かした。「練習です。練習も含め、1年と7カ月ぶりです」。昨季は8本塁打、114安打。今季も6本塁打、42安打を放つ。それでも、打撃練習で覚えた感触ではなかった。「村林が『僕の方が逆方向飛びますね』って言ったので、少しイラっとして、逆方向を狙って打ちました」と適度な?怒りもパワーに変えた。

独特の感性で、打線のど真ん中を張る。開幕から3番が定位置だったが、4月30日ロッテ戦から4番に座る。同打順では打率2割9分7厘、3本塁打、15打点。大黒柱の3番浅村の次打者として存在感を示す。ただ「なるべく4番は打ちたくない」と話す。石井GM兼監督から「3・5番」と評された際は「ちょっとずるいですね。うまいっすね」と笑い、状況に応じバントもいとわない。目前で求められた役割に徹する。

活躍した際に配信されるコメントも4月の7本を抜き、今月8本目。ロッテ・マーティン、安田を抜き、リーグ打点トップに立った。「雨風? もっと降れって思っていました」。首位を走るチームは、島内が支えている。【桑原幹久】

▽楽天安楽(2点差に詰め寄られた7回無死一、二塁から3者凡退に抑える好救援) 開き直って腕を振っていくしかないと思いました。どんな場面でも腕を振っていきたいです。

▽楽天石井GM兼監督(強風と雨の悪条件下での勝利に) (記者へ)外で見てました?その髪形はそうですよね。勝利をぐっと持って来られたのは安楽のピッチング。自分で今のポジションを作ってきているので、そのままつかみ取ってほしい。