決勝戦の先発を任された法大の左腕・吉鶴翔瑛投手(1年=木更津総合)は「尾崎さん、竹冨さん、リーグ戦を経験している方がいるのに、先発させてもらって、うれしかったです」と素直に明かした。変化球を駆使し、3回を内野安打1本に抑えた。一方で、6四死球を出し、2失点。「課題です」と反省も忘れなかった。

父はソフトバンク吉鶴バッテリーコーチ。人生初となる神宮のマウンドが決まり、両親、兄から「頑張って」と励ましが届いた。2回に2点をもらい迎えた3回。押し出し死球と適時内野安打で追い付かれた。なお2死満塁のピンチ。ここで、慶大・清原を迎えた。父親が元プロ野球選手。自分と同じ境遇で、今大会、話題を集めている相手。「ニュースで見てました。抑えたいと思いました」と負けん気をのぞかせた。結果は、135キロで遊ゴロ。踏ん張って、勝ち越しは許さなかった。

高校時代は、右の本格派・篠木健太郎投手と両輪を形成した。ともに法大に進んだ。「高校は篠木がエースで、自分が2番手で。2番手は嫌でした。大学では、2人で左右のエースと言われる投球をしたいです」。ここでも負けん気を見せた。