楽天田中将がもがきながら、勝利を引き寄せた。

広島相手に6回3失点で7回に代打を送られリードを許したまま降板。「よく3点で収まったなと。今年の中でも一番良くなかったくらい」と自身とともに東京五輪の侍ジャパン有力候補の広島森下との投げ合いは痛み分けに。自身5戦白星なしも、チームは5月1日ロッテ以来5戦ぶりの土曜日勝利。今季最長タイの4連勝で同最多貯金8とした。

ズレをぬぐえなかった。試合前のブルペン投球から「あれ? というのはありました」。1回、2番から4者連続で初球ボール。組み立ての軸を成す直球、スライダー、スプリットを操り切れない場面が目立った。2回以降も「初回よりはましでしたけど、いまいちパッとせずという感じ」。3者凡退は1度もなく「とにかく今日の投球は苦しかった」。それでも大量失点だけは防いだ。

最優先事項はチームの勝利。3回には8年ぶりの日本復帰後初打席で森下から二塁内野安打。「何でヒットになったかも分からないです」と苦笑いも、全力疾走でヤンキース時代の14年以来7年ぶりの日米通算5安打をもぎとった。「ずっとチームが勝ててなかったので、今日勝てたことはすごく一番うれしいです」と声に安堵(あんど)感をにじませた。【桑原幹久】

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▽楽天石井GM兼監督(田中将に) 調子はそんなに良くなかった。最初から最後までリズムに乗りかけて、またちょっとらしさがなかった。その中でも最低限のところでは締めてくれた。完璧求めたらきりがないので。