ミスターの激励に、主将が結果で応えた。右手親指末節骨の骨折で離脱していた巨人の坂本勇人主将(32)が6日、イースタン・リーグ西武戦(ジャイアンツ球場)で約1カ月ぶりに実戦復帰。

「2番指名打者」で先発し、第1打席で二塁打を放った。試合前には長嶋茂雄終身名誉監督(85)がサプライズ訪問。「勝つ勝つ勝ーつ!」の訓示後に直接、打撃指導を受けた。長嶋終身名誉監督からもパワーをもらい、1軍復帰へ大きく前進した。

    ◇    ◇    ◇

レジェンドの後押しを受けた坂本が、思いっきり振り抜いた。約1カ月ぶりの実戦でも力強いスイングは健在。1回1死、西武の育成出井がフルカウントから投じたスライダーを捉えた。打球はグングンと伸び、中越えの二塁打。3回1死一塁の第2打席は、内角高めの136キロ直球を中飛。予定通りの2打席を1安打で終えた。

5月9日ヤクルト戦の一塁帰塁時に右手親指末節骨を骨折して以来の実戦。「楽しかったです。タイミングは今日はよかった」と言いつつも「そんなにゆっくりしている時間はないと思う」と次を見据えた。

午前9時、長嶋終身名誉監督がジャイアンツ球場を電撃訪問。公には4年ぶりで、到着早々、2軍選手に「1分1秒の時間でも大切に使って、野球に打ち込んでください。勝つ勝つ勝ーつ!」と名ゼリフで訓示した。坂本は室内練習場でのウオーミングアップを終え、小雨の降るグラウンドに入ると、すぐさま三塁側ベンチに座る長嶋氏へあいさつに向かった。

試合前のフリー打撃の合間にはミスターから手招きされ、直々に打撃指導を受けた。詳細は口にしなかったが「本当に光栄な時間でした」とかみしめた。その約3時間後、復帰後初打席で快音を響かせた。

徐々に段階を踏んでいく。打撃練習では遊撃の守備について打球を処理したが、試合では守備にはつかなかった。実戦復帰の報告を聞いた原監督は1軍昇格の時期について「打って投げて走るというところを求められる選手。もう少しでしょう」と話した。坂本は「若い選手がみんなでカバーし合いながら戦ってる姿、チーム一丸となってやってる姿はテレビで見ていた。早く合流してその一員になりたい」と意欲を見せた。ミスターの“ゴッドハンド”パワーをもらった主将の帰還は、そう遠くはない。【小早川宗一郎】

▽巨人秋広(長嶋終身名誉監督から左腕を触られて激励を受けた後の2軍戦で約1カ月半ぶりの安打)「『いいものを持っているから頑張れよ』と言ってもらえた。もっと頑張ろうと思いました」

巨人ニュース一覧はこちらー>