ソフトバンクのウラディミール・バレンティン外野手(36)がNPB通算300本塁打を達成した。5回に3号ソロ。外国人選手では10年ラミレス(当時巨人)以来4人目。ヤクルト時代に288本、ソフトバンクで12本目となった。また、外国人選手では15人目の通算1000安打も同時に達成。古巣ヤクルトの前で偉業を成し遂げた。

「両記録寸前で時間はかかってしまったが、今まで積み重ねてきた数字なので素直にうれしいよ。一振りで1000安打、300号と同時に決めることが出来たし、古巣ヤクルトの前で決められたことも良かった。これからもチームの勝ちにつながる1本を打ち続けて貢献していきたいと思う」。

7回には2番手の石山から2打席連続となる通算301号。バレ砲は一度火がつくと止まらない。

13年に日本記録の60発。「世界の王」を超える歴史的な記録を作った男でも、ソフトバンクに移籍後は苦しんだ。パ・リーグの速球派投手。移籍1年目でのコロナ禍。常勝軍団の激しいスタメン争い。20年は長期離脱した15年を除けば自己最少の9本塁打。打撃不振で2軍降格も味わった。

それでも腐らなかった。今季1軍に昇格してからは、あえて投手陣とウオーミングアップを行うことがあった。普段は関わりの薄いチームメートとも、積極的にコミュニケーション。試合前の円陣では身を乗り出して参加している。勝利の瞬間は松田と肩を組む。アーチを飾れば栗原のホームランパフォーマンス「ケバブポーズ」をまねした。

不振にもがきながらも、チームに溶け込もうと努力した。「結果を残せるように。いつもいい準備をしていくことを心がけているよ」と話していた通り、戦力になるために必死だった。常勝軍団の誇るバレ砲が、ついに大台に到達した。【只松憲】

○…ソフトバンクは、球団公式オンラインストアで、バレンティンのNPB通算300本塁打と通算1000安打の記念グッズ販売を開始した。Tシャツやフェイスタオル、キーホルダーなど、それぞれの記録ごとに分けて売られる。

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