阪神ロベルト・スアレス投手(30)は球団新記録の登板12試合連続セーブを達成した瞬間、感情を雄たけびに乗り移らせた。

「いい試合だった。みんながいい活躍をして、最後は勝ち越してくれて、自分もいい仕事ができました」

1点リードの9回2死一塁、走者がスタートを切った1球。1番小深田の三塁線ライナーを木浪が間一髪でジャンピングキャッチすると、普段は物静かな男が思わず声を張り上げた。

同点のまま進んでいた9回の攻撃中、いったんは8回から登板していた藤浪がベンチ前でキャッチボールを始めていた。守護神は直近5試合のうち3試合に登板。矢野監督は「今日はできれば休ませたかった」と振り返ったが、リードを奪ったら話は別だった。

この日も最速157キロで無失点締め。5月13日中日戦から12試合続けてセーブを挙げ、08年藤川球児の球団記録を塗り替え、「基本的には任されたところで集中することだけを意識していますが、ここまでいい成績が残せて良かった」と喜んだ。

昨季は25セーブでタイトルを獲得。米大リーグの複数球団から獲得に興味を示されながら、矢野監督直々のラブコールも実って残留した。17年に右肘のトミー・ジョン手術を受けてから4年。今季は防御率0・62、両リーグトップの21セーブと迫力が増している。

「スアちゃんを出したら全幅の信頼を置いている。期待通りにというのは簡単なことじゃないけど、しっかりやってくれるストッパーがいるのは心強い」

指揮官が発した言葉の節々からも、存在の大きさがうかがえる。【佐井陽介】

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