ついに日本新を打ち立てた。西武平良海馬投手(21)が中日3回戦で、開幕から32試合連続無失点のプロ野球新記録をマーク。

1点リードの9回から登板し、先頭に内野安打されたものの進塁を許さなかった。連続試合無失点のパ・リーグ記録まであと2試合、同プロ野球記録にもあと6試合に迫った。広島のルーキー栗林良吏投手(24)は、新人の開幕からの連続試合無失点記録が「22」で止まり、プロ初黒星を喫した。

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喜びの言葉を並べながら、平良は表情ひとつ変わらない。「日本記録になってうれしいです。1点取られたら同点なので、絶対にそれはないように0点は意識しました」。花束をもらっても、全身に拍手を浴びても、ほぼ真顔。動じない“らしさ”満載のヒーローインタビューで開幕32試合目の「ゼロ」を彩った。

同点でも投げていた。が、直前に勝ち越した。「やっぱり一番気が入ります」。「1点リード」が何よりガソリンになる。中日福留を三邪飛、前の打席で適時二塁打を放っていた堂上はスライダーで空振り三振。代打木下拓には外角152キロで空を切らせ、先頭で出た走者を一塁くぎ付けにした。打者3人への10球で、ボールカウントの緑ランプは1度も光らなかった。

毎日、毎日ストイック。ブルペンで準備に入る5回まで、前日投げた変化球のトラックマン数値を確認するなど研究を重ねる。筋肉量や食事に気を使う。そして仲間のことも、気遣う。3日前、仲良しの先輩今井にワッフルを差し入れた。翌日、お礼にと今井が買ってきてくれたマカロンには「食べたいです」と素直に手を伸ばした。

開幕からの連続無失点記録はこれで単独1位に立った。開幕の条件を外すと、06年藤川(阪神)の38試合が最長。14年比嘉(オリックス)03年豊田(西武、現投手コーチ)のパ・リーグ記録にはあと2試合で並ぶ。「1試合1試合の積み重ね。そっちも超えられるように頑張ります」。淡々と、でもはっきりと。次のマイルストーンを射程圏内に捉えて、交流戦最後の広島に乗り込む。【鎌田良美】

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