DeNA国吉佑樹投手(29)とロッテ有吉優樹投手(30)との交換トレードが成立したことが14日、両球団から発表された。

国吉は19年4月6日の巨人戦で、自己最速の161キロをマーク。5回から2番手で救援し、2回を4奪三振の無失点に抑えた。自身4年ぶりの白星も飾ったこの試合を、当時の紙面で振り返ります。(所属、年齢など当時)

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ハマの「進撃の巨人」ことDeNA国吉佑樹投手(27)が、快進撃を続ける巨人を止めた。2番手で登板した5回に自己最速の161キロをマークした。日本ハム大谷翔平(現エンゼルス)が16年にマークした165キロに次ぎ、ヤクルト由規(現楽天)、ソフトバンク千賀に並ぶ、NPBでは日本人2位タイの数字。2回を4奪三振の快投で15年以来4年ぶりとなる白星も飾り、チームの勝利に大きく、大きく貢献した。

ドスン、ドスン。人気アニメ「進撃の巨人」のテーマソング「紅蓮の弓矢」が球場内に鳴り響く。ミステリアスな登場曲に合わせ、身長196センチの「巨人」国吉が、窮屈そうにリリーフカーで登場した。マウンドに立てば、軽く2メートルは超える大迫力。3点リードの5回、城壁から人間をのぞき込む“本家”のごとく、快進撃を続ける巨人打線の前にハマの「巨人」が立ちはだかった。

スケールが違った。4番岡本、5番亀井を2者連続三振に仕留めると、さらに観衆の視線をくぎ付けにした。ゲレーロへの5球目、外角低め直球は「161キロ」。横浜スタジアムが騒然となった。通常は電光掲示板に白色で表示されるスピードガンが、この時ばかりは「赤」で記された。「スタンドのお客さんがわいていたので、どうしたのかなと思ったら、出ていましたね」。そのゲレーロまでも、3者連続三振で蹴散らした。2回1安打4奪三振無失点。4年ぶりの白星まで、のみ込んだ。

09年育成ドラフト1位の巨人は「壁」にぶち当たり、大台を突破した。17年終わりに新球カットボールを習得したが、それに頼り過ぎる中で、直球の大切さに気付いた。持ち前の肉体を最大限に生かすため「巨人」ならでは? の常識破りの筋トレを昨オフからスタート。「投手だったら鍛えないとかではなく、肩周りもですし、全身」と公称103キロから3キロアップで“巨人化”し、世界の大谷に次ぎ、10年当時の日本人最速の由規、先日の開幕戦で161キロを連発した千賀に並んだ。

「調査兵団」も、びっくりの体で10年目のシーズンを迎えている。これまで2XLで「大丈夫かな」というサイズ。現在は3XLを探すようになった。「日本では全く売っていなくて。最近はもう服いらないなって。着られたらいいやって」。オフに渡ったオーストラリアでTシャツを大量購入。「向こうは自分のサイズがたくさんで安心しましたね」と笑いを誘う一面を持つが、ラミレス監督も「相手に恐怖を与える。あれだけの球で、怖いと思わせる」と巨人の存在感に目を丸くしていた。(2019年4月7日付日刊スポーツ紙面より)