広島が「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦でミスから決勝点を許し、2分けを挟み8連敗となった。4回に林の2点打で一時は逆転するも、同点の6回に拙守が続いて決勝点を献上した。打線も“ブルペンデー”の西武投手陣の前に今季最少の2安打に抑え込まれ、終盤は反撃ムードすらつくれなかった。交流戦いまだ2勝で2試合を残して07年と19年の球団最少5勝を下回ることが確定した。

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白球とともに、試合の流れもポロリとこぼれ落ちた。2-2の6回1死満塁から、西武の代打中村の中堅前方へ高く上がった飛球を前進しながら捕球体勢に入った羽月が落とした(記録は犠飛)。カバーに入った右翼鈴木誠が一塁走者を二塁で封殺するも、三塁走者に生還を許した。三塁走者の山川は俊足とは言えない。落下点は送球を急ぐような位置ではなかった。これが決勝点となった。

マツダスタジアムは球場の構造と近隣施設の影響で、高さによって風向きが異なり、高く上がった飛球は揺れやすい。羽月は内野手登録であるものの、河田ヘッドコーチは「これからも(試合に)出していく選手だとは思っている。それでも、経験が浅いから、では済まされない。野球には勝ち負けがある」と期待する選手だけに成長を促した。

ピンチを招いたきっかけもミスから。先頭山川は空振り三振に切ったが、途中出場の捕手磯村の捕逸で出塁を許していた。5回も1死一塁から遊撃正面の打球を小園がファンブルして併殺を奪えず、残した走者が同点のホームを踏まれた。交流戦5失策は12球団最少も、記録にならないミスが目立つ。交流戦のチーム防御率5・19は12球団ワーストとなっている。

チームは白星もつかめない。2分けを挟んで8連敗となった。交流戦は2勝11敗3分け。2試合を残して、07年、19年の球団ワーストの5勝を下回ることが決まった。先発投手は5月19日の九里を最後に16試合連続で勝ち星がついていない。カバーしたい攻撃陣も“ブルペンデー”だった西武投手陣の前に4回の2安打のみで、今季最少。終盤は反撃ムードすら生まれなかった。

佐々岡監督は「若い選手はどんどん成長していかないといけない。大事なところのエラーは反省するとして、しっかりと気を引き締めながら。こういう状況だからこそ前を向いてあした取り返す、という気持ちでやってほしい」と懸命に前を向いた。09年以来の交流戦セ・リーグ勝ち越しを託された広島は、まず自軍の連敗ストップへ全力を尽くす。【前原淳】

▽広島薮田(今季初先発で4回2/3を3安打2失点)「無駄な四球と自分の今の信頼度があそこ(での交代)だと思うので、もっと安定感を求めてつくっていこうと思います」

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