はっきりとした成長曲線を描く。ヤクルト奥川恭伸投手(20)が中日戦で自己最長の7回を4安打無失点。父の日に3勝目を挙げた。「勝ちをつけてもらった打線にも感謝の気持ちを忘れずにしっかり勝利の報告をできればなと思います」と笑顔を見せた。

大人の投球を見せた。0-0で迎えた6回。2死二塁、3番高橋周と4番ビシエドを連続四球とした。「勝負しながら、カウントが悪くなったところでは無理せずに。特に4番のとき『2人で1人』と山田さんからも声かけてもらったり。自分でもそういう意識を持てた」。2死満塁としても、冷静さは失わなかった。5番堂上に対し、初球をスライダーで見逃しに。2球目も123キロスライダーを続け、二ゴロに打ち取った。「いつもなら速い球で攻めていたところを、緩い球を使って抑えることができた」とうなずいた。

前回8日ロッテ戦では、5回を自己ワーストの12安打6失点。決めきれなかった変化球を課題に挙げた。中11日で、即座に修正。「今までは視野が狭くなりがちだったが、視野を広く持っていろいろなボールを使えたところが、結果につながった」と胸を張った。

まだ高卒2年目。ヤクルトの絶対的なエースになるため勉強の毎日だ。抑えても打たれても、すべてが糧となる。【湯本勝大】