オリックスが楽天との同率首位決戦を制して、単独首位に立った。11年以来10年ぶりの9連勝。6月の15試合は12勝2敗1分け、勝率8割5分7厘と勢いが止まらない。

1つでも多く勝利を手にするために、中嶋采配は手段を選ばない。この日は白星を求めて、渾身(こんしん)の継投リレーをみせた。先発した竹安が3回1失点。4回からは山崎福、漆原、村西、沢田、ヒギンス、平野佳とつなぎ、今季最多タイの7投手でリレー。最後は1点差を逃げ切った。

交流戦を10年以来11年ぶりVに導いた指揮官は「目の前の試合を1つ1つ。それは変わらない」と、首位となっても気を緩めることはない。

“恩返し弾”も飛び出した。2回に宗の押し出し死球で1点を先制し、続く3回1死の場面。昨オフ楽天から2年ぶりにオリックスに復帰したロメロが、右翼席へ3号ソロ。ベンチに戻ると安達らとハイタッチで喜びを表現した。ロメロは「しっかりと強く振っていこうと思って打席に入っていたよ。いい感じで打球が上がってくれて、ホームランになってくれてよかった」と好感触を振り返った。

8回には代打モヤが追加点となる適時打。助っ人勢も白星を貪欲に求める。ベンチ一丸で勝ち星を拾っていく。オリックスが25年ぶりのリーグ制覇へ、執念の炎を燃やしている。【真柴健】