オリックスが10年ぶりの9連勝で、7年ぶりの単独首位に立った。楽天との同率1位対決で、中嶋聡監督(52)は先発竹安大知投手(26)を1点リードの3回1失点で交代させると、2番手山崎福也投手(28)をはじめ、今季最多タイの7投手で強力打線を封じて逃げ切った。セ・リーグは阪神も首位を快走中で、秋の関西シリーズ実現の夢もふくらんできた。

勝利の灯を消さなかった。オリックスが今季最多タイの7投手を継投し、1点差を守り切った。1点リードの4回、中嶋監督は3回1失点の竹安を思い切って代えるリレーを選択。2番手は先発調整中の山崎福。その後は漆原、村西、沢田、ヒギンス、守護神の平野佳とつないで逃げ切った。10年ぶりの9連勝で、ついに7年ぶりの単独首位だ。

指揮官は「よくつなぎましたね。本当に良い投球をしてくれた」と救援陣を絶賛。首痛から復帰し6月9試合連続無失点で今季8セーブ目を記録した平野佳を「さすが。落ち着いて投げてくれた」と目を細めた。

11年の9連勝を知る37歳のベテラン右腕は「若手が頼もしい。今の方がチーム強いと思う。3年(メジャー移籍で)外れてましたけど、1番と言ってもいいチームができている」。直近のV争いは14年。ソフトバンクとの激闘に敗れて2位に終わった。「みんな悔しかった。僕も最後へばって、迷惑かけたから。今年は最後まで頑張りたい」と“忘れ物”を取りに行く。

試合前には東京五輪の聖火リレーが、楽天生命パークに隣接する宮城野原公園総合運動場に到達した。中継ヘリコプターが上空を飛ぶ中で同率首位決戦がプレーボール。オリックスも懸命のリレーで勝利のバトンをつなぎ切った。指揮官は「勇気が出る。やっていけるんじゃないか」と手応え十分。だがすぐに「去年は最下位。それを考えたら1つずつ。(68試合目で)今言っても始まらない」と引き締めた。25年ぶりのリーグVへ、執念の炎を燃やし続ける。【真柴健】