ポスト会沢は俺だ! 広島坂倉将吾捕手(23)が2戦連続猛打賞となる3安打2打点1得点で気を吐いた。4試合ぶりの先発マスクで好調な打撃をアピール。正捕手会沢が負傷離脱の中、捕手として出場機会を増やすためには、結果を残し続けるしかない。チームは3連敗で、8年ぶりの借金14。打者としてだけでなく、捕手としても救世主になることを誓う。

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3安打した結果など、もう頭になかった。最後の打者となった坂倉は、4試合ぶりの先発マスクでチームを勝利に導けなかった悔しさをかみしめた。打撃では2本の二塁打を含む3安打2打点1得点。捕手として2度盗塁を刺すも、3連敗。打者としての力だけでなく、捕手としての存在感も示したかった。

一塁との併用が続く中で、打撃は好調を維持する。2回に左中間への二塁打を放ち、一時は勝ち越しとなるホームを踏んだ。3点ビハインドの3回は右中間を破る2点二塁打で1点差に迫った。「追い込まれていたので、何とかしようと思いました。上からコンパクトにたたくことが出来ました」。5回も右翼へクリーンヒット。2戦連続猛打賞で打率3割1分7厘に上げた。昨季まで打率を下げる要因となっていた苦手左腕に対し、今季は右投手時よりもややオープン気味に構えることで対策。今季対左投手の打率は右投手の打率3割2厘を上回る3割6分4厘。高打率につながっている。

2番手捕手として期待されながら、5月に正捕手会沢が離脱した間、出場機会は増えなかった。台頭した石原に先発の機会を譲る試合が多くなった。当時「どこかで受け入れてしまっている自分がいる」と冷静に自分の課題と向き合おうとしていた。現状打破のきっかけを探ろうと、背番号31を引き継いだ石原慶幸氏の著書を熟読。一塁との併用も、切り替えを心がけた。

会沢の再離脱後6試合、スタメンマスクは石原が4試合で、坂倉は2試合しかない。積極起用される若手の中で、坂倉には1軍で積んだ経験がある。成功だけでなく、失敗もほかの若手よりも多い。併用される一塁でも、打者として結果を求めつつ、捕手としてのプライドも胸に刻む。【前原淳】

広島坂倉「ヒットが出てるのは悪いことじゃない。(捕手としては)こういう結果が結果なんで、しっかり反省したい。(一塁併用は)出れば出るほど考えることが増えるので、いいことも悪いこともあると思いますけど、いいふうに考えられるようにしたいなとは思います」

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