首位阪神が5位DeNAに痛恨の逆転負けで連敗を喫した。1点リードの7回無死一塁で、矢野燿大監督(52)は2年目左腕及川を投入したが、桑原に逆転2ランを被弾。7回の男が定まらず、8回岩崎、9回スアレスにバトンがつなげない。打線も2試合1得点で、6月絶好調だった佐藤輝もスタメン初の3試合無安打と元気がない。2位巨人が勝ち、最大8あったゲーム差は3・5差まで縮まった。“投打ダブルの苦悩”に見舞われた矢野監督は「我慢の時」と前を向いた。

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スタンドの悲鳴が響く中、桑原の逆転2ランがバックスクリーンに飛び込んだ。及川はフウッと息を吐き、険しい表情で見届けるしかなかった。1点リードの7回無死一塁。DeNAが左の関根を代打で送ると、阪神ベンチは馬場に代えて3番手に2年目左腕を投入。犠打で1死二塁とされた後、桑原に初球のスライダーを完璧に捉えられた。

矢野監督は「勝負にいった結果なんで。こっちとしては悔いはない。これからもいい場面でチャンスがあれば使いたい」と、プロ初黒星を喫した及川を責めることはなかった。本来リードした展開の7回は岩貞だが、交流戦で打ち込まれるなど、防御率4・64と本来の調子を取り戻せていない。矢野監督は「現状、あそこが固定できていない。及川なり斎藤なり誰か新しいカードが必要になるので」と説明。この日は新7回の男を模索する中で、及川が痛恨の1発を浴びた。

前日は藤浪が4試合ぶりに無失点に抑えたが、安定感には疑問符がつく。8回岩崎、9回スアレスにバトンをつなぐ投手の確立は急務で、その課題がより浮き彫りになる敗戦になった。

前日0封負けした打線は、2回の梅野の適時打による1点のみ。6月絶好調だった佐藤輝も珍しい今季2本目の併殺打と2三振で3打数無安打。スタメン3試合連続無安打はプロ初で、自己ワーストタイの12打席連続無安打と元気がない。矢野監督は「まあ、打てない時は、ボール球を振らされたり、ボール球に手を出したり、打てそうな球がファウルになったり…。成長の過程ではあること」と分析。相手のマークがより厳しくなる中、新たな壁を乗り越えることを望んだ。

打線全体も低調が続く。不調や落ち目の投手は打っても、好投手が来ると、好調時のつながりが見られない。矢野監督は打線の組み替えなどについて「まあ、我慢の時かな。何も変えようとは思っていない」と、首位をけん引する不動のレギュラー陣を信じる。この日は今季最多の1万6306人が入ったが、連日の1万人越えで連敗。リーグ戦再開初日に今季最大8差つけた2位巨人は、6連勝で3・5差まで迫ってきた。今季同一カード3連敗はない。12戦10勝2敗と得意の日曜日にこそ、ファンを喜ばせたい。【石橋隆雄】

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