元ヤクルト「ドライチ4兄弟」の2人の投げ合いが、BCリーグで実現した。

BC・埼玉の由規投手(31)と、BC・栃木の村中恭兵投手(33)が先発。由規が5回2/3を被安打6の3失点で、開幕から無傷の8連勝を飾った。

NPB復帰を目指す今季、楽天からBC・埼玉に新加入した07年ヤクルトドラフト1位の由規。元チームメートとの投げ合いは「いずれあるだろうな、と思っていました。やっときたという感じ。僕自身は、あんまり意識しないようにしていました」。05年のヤクルトドラフト1位、村中は「このタイミングで(投げ合いが)実現するとは思っていなかった。できれば、勝ちたかったです」と振り返った。

由規は初回、2回と3者凡退に抑え、リズムをつくった。「最近は、先制される試合が多かったので、今日はいいリズムで攻撃につなげることができたのはよかった。いつも打線に援護してもらっているので」とチームメートに感謝した。

2点リードで迎えた4回、2ランを許して同点とされたが、直後にBC・埼玉の元楽天フェルナンドが3ランを放ち勝ち越した。

6回途中、96球で勝ち投手の権利を得て降板。140キロ後半の直球はキレ十分だが、2本塁打で3失点した内容に「イニングを投げきりたかった。今日は最低限の仕事ができたかな、という感じです」と反省していた。

開幕から、無敗の記録を伸ばしている。8勝はリーグトップだが、満足はしていない。「開幕した直後に連勝していた頃の感覚とは少し違ってきていて。いつも(野手に)援護してもらっている分、そろそろ1人で投げきりたいなというのがあります」。東地区首位を走るチームのため、腕を振る。

BC・栃木の村中は、5回を被安打7の7奪三振、5失点で黒星を喫した。26日の新潟戦では抑えとして登板し、初セーブを挙げたばかり。中3日での先発マウンドだったが「状態は悪くなかったので、結果につながらず悔しい」と振り返った。

ヤクルトの05~08年までのドラフト1位、村中、増渕竜義、由規、赤川克紀の「ドライチ4兄弟」は、先発ローテを守るなど投手陣をけん引した。一緒に戦ってきた仲間との投げ合いに、村中は「やはり、感慨深いものがありました」と明かした。チームが変わっても、リーグが変わっても、絆は変わらない。