目指すぞ155キロ!! マイナビオールスターゲーム2021(16日=メットライフドーム、17日=楽天生命パーク)の監督推薦による出場選手が5日に発表され、広島のドラフト1位ルーキー栗林良吏投手(24)が選出された。

球団新人では12年の野村以来、9年ぶりの球宴出場切符。直球の最速154キロを誇る右腕は、夢舞台での自己最速更新に強い決意を示した。

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東京五輪の侍ジャパンに選出された鯉の黄金ルーキーが、新たな勲章を手にした。栗林がこの日発表された監督推薦による球宴出場選手の1人に名を連ねた。右腕は「うれしい気持ちでいっぱいです。プロの中で活躍された選手が集まってくる。投手だけじゃなく打者の方ともコミュニケーションをとっていきたい」と胸を膨らませた。

新人ながら前半戦で圧倒的な成績を残した。開幕から守護神を務め、2リーグ制後ではプロ野球記録となるデビューから22試合連続無失点の偉業を達成。ここまで30試合に登板し、防御率は0・61と安定感は群を抜き、リーグ2位の16セーブを積み上げた。右腕は「せっかく選んでもらったので、まずは0で帰れるように、全力で腕を振っていきたい」と力を込めた。

目指すは自己最速更新だ。最速154キロの直球と宝刀のフォーク、カットボール、カーブを操り、次々と打者をねじ伏せてきた右腕は、「直球にこだわって投げていきたい」と気合をにじませた。球速については「全力でいって、MAXを更新できたら。数字だけじゃなくて、キレとかでもアピールしていきたい」と目をギラつかせた。

球宴史で語り継がれるのが、06年の球宴を湧かせた元阪神の藤川球児だ。藤川が西武カブレラへ全球予告の直球勝負で空振り三振を奪うなどした名勝負を、「オールスターならでは。印象に残っています」とダイジェスト映像で見たことがあるという。栗林は初の球宴へ向け「ストライクが入れば、全部真っすぐでいきたい」とオール直球宣言! …と思われたが「ストライクが入るかどうかはわからない。そういう意味では全球種を使いながら、真っすぐ中心に投げていきたい」と軌道修正した。

チームでは同じく侍ジャパンにも選ばれた菊池涼、鈴木誠、森下の3人とともに球宴に出場する。「菊池さんや誠也さんはオールスターや日本代表も常連。そこにしっかりついていって、迷惑をかけないようにやっていきたいです」。スター街道を駆け上がり、持ち前の全力投球で日本中を湧かせてみせる。【古財稜明】