全セ・広島菊池涼介内野手(31)が、1発を含む4安打2打点と奮闘し、オールスター第1戦のMVPを獲得した。

球団では15年の会沢以来6年ぶりのMVP受賞。賞金300万円をゲットした菊池涼は「申し訳ないというか、まさかというか、1回も賞を取ったことないので、思い出の深い場所でMVPが取れたのは、本当にうれしく思います」と初受賞を喜んだ。

7度目の出場で、待望の初本塁打をかました。1点を追う6回2死二塁、日本ハム上沢の高め直球を振り抜き、打球は左翼席へ。一時逆転の2ランに「ほぼ地元の球場で、球宴という舞台で初めての本塁打を打てたのが、思い出に残るというか、最高の気分です」。3回には左前打、5回には右前打、9回にも右前打をマーク。左右に打ち分け、猛打賞も球宴初だった。

思い出の地で暴れ回った。菊池涼は同球場からほど近い東京・東大和市出身で、「自転車で来れるほど近い球場」だという。小学生時代の99年に当時西武ドームで開催された球宴を現地で観戦していた。自身が本塁打を打ち込んだ左翼ポール際で試合を見たという菊池涼は「(巨人の)二岡さんが投げてくれたボールを父親が捕ってくれた。今でも実家にそのボールがあります」と感慨深げ。打点を記録したのも、球宴初出場だった14年以来7年ぶり。地元で強さをみせつけた。

2年ぶりのお祭りで、ひときわ輝きを放った。「コロナ禍で難しい中で開催された。無観客というよりかはファンのみなさんに見てもらいながら野球をやるということが本当に大切なんだなと思いました」。東京五輪に向け、弾みをつけるゲームとなった。【古財稜明】