マッチョマン、ホームランダービー初優勝!全パのオリックス吉田正尚外野手(28)が、球宴のホームランダービーで初優勝し、賞金100万円をゲットした。

7分間の「マサタカ劇場」で計22発の放物線を描いた。巨人岡本和との初戦を7-5で勝利。親交のある岡本の打席では、ユニークなギャグも披露。ユニホームの下に岡本和の似顔絵が描かれているシャツを着て、顔の付近までまくり上げて、笑いを誘った。

ヤクルト村上との準決勝では、打撃投手を任せたソフトバンク栗原から右太もも付近に“死球”を受けるハプニングがあったが、強振を続けて6-5で接戦を制した。

決勝は前日16日に準決勝を突破していた西武山川と対戦。2分間の対戦で、4-4の同点に終わると、1分間の延長戦に臨んだ。この日4度目の打席では、肩で息をするシーンも見られるなど、さすがに疲労困憊(こんぱい)だったが、5-4(計9-8)で勝利。「マサタカ劇場」で、ファンを沸かせ、ホームランダービー初優勝に輝いた。19年は決勝で広島鈴木誠に惜しくも敗れ、リベンジに成功した。

ファンが求める芸術作品を、必死に仕上げた。吉田正は本塁打について「スタンドインした瞬間が打撃の完成系」だと常々、話しており「僕は、インパクトの瞬間に100の力をぶつけるだけ。フルスイングって勘違いされがちですけど…。フォロースルーは気にしていないんです」と、力強いコンタクトを心掛ける。

アーチを描いた後の声援、大きな拍手には「ファンが喜んでくれるなら」と笑顔。「本塁打数イコール、強いスイングができている証し。芯に当てないとスタンドには届かない」。飛距離十分な打球に、高いコンタクト率。夢の祭典で、吉田正のすごみが光った。【真柴健】