首位阪神の矢野燿大監督(52)が16年ぶりの優勝に向けて、リーグ中断期間に新戦力を発掘する。27日からのエキシビションマッチ12試合について「新しい選手を、ファームで頑張っている選手をこっちに呼んでやりたい」とし、積極的に新戦力を試す考えを示した。

前半戦はドラフト1位の佐藤輝、6位中野がレギュラーに定着し、投手でも2位の左腕伊藤将が先発の一角として5勝を挙げ、8位石井大も奮闘。2年目の及川は中継ぎで力を発揮するなど新しい力がプラスとなった。ただチームは7月に5勝8敗と負け越し、やや疲れが見えた。戦力補充が必要で、その「選考会」となるエキシビションマッチは若手や出番のなかった中堅、ベテランにもチャンスとなる。矢野監督は「こっちにいる選手をファームで出して」と語り、現在の1軍メンバーは2軍戦で実戦感覚を保たせるつもりだ。

3日間の休養後、1軍は18日から練習を再開し、球宴組、一時帰国の外国人を除いた23人が参加。全セのコーチを務めた矢野監督も仙台から移動して合流し「今、状態がよくない選手も状態を上げてもらわないと困る。そういう期間にできたら」とさっそくフリー打撃後の大山を指導した。

大山は打撃でもがいて7番への降格もあっただけに「いろいろ話をしていただきました。自分にとって必ずプラスになることなので、しっかり整理して自分の物にできるように」と感謝。この中断期間は、優勝争いを勝ち抜く骨太なチームへと整備するための貴重な時間となる。【石橋隆雄】