ロッテ佐々木朗希投手(19)は勝利投手の権利を得て5回2失点で降板したが、6回に逆転され、本拠地初白星はならなかった。

1球が痛かった。2回無死一塁。甘く入った154キロを、オリックスの5番ジョーンズに豪快に左翼席に運ばれた。「本塁打で先制を許して流れを渡してしまったことは反省していきたいです」。マウンドで唇をかんだ。

エキシビションマッチで158キロを投げ、迫力が増してきた。「初回から目いっぱい投げたいです」と意気込んで臨んだこの日。言葉通りに1、2回は155キロ前後を次々と投げ込み、初対戦となる好調なオリックス打線に挑んでいった。最速は157キロだった。

ボール球がやや増えていたこともあってか、2巡目はギアチェンジ。直球、変化球とも球速を抑えめに攻めた。4回は吉田正、杉本、ジョーンズの中軸を内野ゴロ3つに仕留めた。全9球、全てが変化球だった。

全体を通しても、この日5回で66球を投げ、直球と変化球が33球ずつ。変化球比率50%はプロ入り後の最高値になった。公式戦では初解禁となるカーブを投げたことも含め、新境地を見せている。

4回に杉本の強いゴロが右足首付近に当たったものの、ベンチで治療後に続投。井口資仁監督(46)も試合後には「問題ないです」と説明した。前半戦と同じように1度登録抹消になり、次回への調整を進める。先発投手としての幅を広げているからこそ、次は自身2勝目を手にしたい。【金子真仁】