<楽天0-3ソフトバンク>◇18日◇楽天生命パーク

鷹のエースが帰ってきた。ソフトバンク千賀滉大投手(28)が、東京オリンピック(五輪)からのチーム復帰後初先発で6回無失点の好投。4月以来の今季2勝目を挙げ、チームを後半戦負けなしの3連勝に導いた。さらに、チームは4試合連続無失点、42イニング連続無失点のダブル球団新記録を達成。千賀の完全復活で、逆転Vへ一気に勢いづく。

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千賀にとって五輪金メダルは、尊敬する存在にほんの少し近づけた証しになった。まだ育成選手だったプロ1年目の11年オフから、自主トレ先で練習をともにしてきたのが女子ソフトボールの上野由岐子投手(39)だ。「1年目のオフから野球に対する姿勢だったりを見てもらっている数少ない人。しかもそれが上野さんというのは貴重なこと。いろいろ話をさせていただくうちに、もっと成長したいと思わせてくれる存在」と、刺激を受け、日本代表まで上り詰めた。

千賀が「バケモノかと思った」という08年北京五輪の頃はまだ、上野はテレビの中の存在だった。それから13年、野球もソフトボールも五輪から離れ、自主トレで顔を合わせても五輪の話はほとんどしたことがなかった。来年1月は、お互いの金メダルを見せ合いながら、初めて五輪の思い出話ができそうだ。【ソフトバンク担当=山本大地】