DeNAが巨人の変則継投をいなして、3連勝を決めた。

試合の分岐点は同点に追いつかれた直後の7回1死二、三塁、打席の柴田が先発戸郷に初球から2球連続で空振りした場面。追い込まれたところで巨人は左腕の大江に交代した。柴田は「初めての経験だった」と、打席途中で対戦投手が変わることに戸惑いながらも、「とにかく前に飛ばすことを考えて、三振だけはしないようにと思って打席に立ちました」。すぐに自分のやるべきことを整理した。

勝負は1球で決した。大江の初球、真ん中付近のスライダーをきっちり捉えた飛球は中堅後方へ。飛距離十分の決勝犠飛となった。三浦監督も「集中力を切らさず、ランナーをかえしてくれた。相手に流れがいきかけたところを、しっかり引き戻してくれたのは大きかった」と、再三の好守に8回には2号ソロも放った柴田の活躍をたたえた。

相手の勝負手を封じて、ルーキーがとどめを刺した。2死一、三塁と続いたチャンスで牧が、中大の先輩・鍵谷からプロ初の代打本塁打となる13号3ラン。「てんびん打法」を編み出した58年近藤和彦(大洋)に並ぶ、球団新人本塁打3位となる1発は「反応で打ちました」。初球にファウルしてイメージをつかんでいたスライダーを捉えて一気に突き放した。代打では球団新人初の4打席連続安打で「チーム的にも自分も今はいい感じ。途中出場でも結果が出れば」と頼もしい。

前夜、右翼守備でのダイビングキャッチで体をグラウンドに打ち付けたオースティンは「今日は休養です」(三浦監督)と欠場した中でも投打ががっちりかみ合った。対巨人も3連勝となり、6カード目での今季初の勝ち越しを痛快に決めた。【木下大輔】