広島森下暢仁投手(23)が23日、先発予定の24日巨人戦の(東京ドーム)に向けてマツダスタジアムで汗を流した。東京五輪で金メダル獲得したが、後半戦初登板の前回17日の中日戦(バンテリンドーム)では、相手の盗塁をきっかけに決勝点を奪われた。後半戦2戦目は、リーグ連覇中の王者との対戦。修正能力を生かし、日本ハムから新加入した中田翔内野手(32)らが並ぶ強力打線を封じて自身後半戦の初勝利を狙う。

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参加投手ただ1人、トレーニングウエア姿の森下はいつも通り、淡々と、最終調整を行った。巨人はセ・リーグで唯一負け越している相手。昨季は1勝1敗で、今季は5月3日に7回3失点も、黒星を喫した。東京ドームでの巨人戦登板は、昨年7月31日以来2度目となる(今季6月19日にDeNA戦で登板あり)。

五輪後初白星を目指す敵地には、難敵が待ち受ける。五輪で侍ジャパンのチームメートとして頼もしさを感じた坂本とは五輪後初対戦。「楽しみですし、頑張りたい」。敵としての再会に、表情を引き締める。さらに、日本ハムから中田が加わった。22日には移籍1号を放ったばかり。「力もありますし、いい打者。東京ドーム自体ホームランが出やすいですし、最少失点で抑えられたらいいなと思います」。ほかにも岡本和、丸らが並ぶ強力打線に、警戒心はおのずと高まる。

警戒すべきは1発攻勢だけではない。前回登板の17日中日戦は1イニングに2盗塁を許し、1つが決勝点につながった。試合後には佐々岡監督から「何かちょっと盗まれている感がありますね」と指摘も受けた。前回登板の反省を生かし、投手コーチらと話し合いながら調整してきた。「工夫してやっていけたらいい」。持ち前の高い修正能力を生かし、相手の機動力を封じたいところだ。

チームはまだ後半戦カード勝ち越しがなく、最下位に沈む。浮上にはただ勝ち星を積み重ねていくしかない。前回まで登板11試合連続クオリティースタート達成の森下も、チームが勝てなければ納得できない。「取られちゃいけないところで点を取られてしまって流れを悪くしてしまっている。勝てるようにやっていきたい」。チームを勢いづけたい6連戦初戦。それでもいつも通り、貪欲に、勝利を求めていく。【前原淳】