ソフトバンクが2点リードの9回に追いつかれ、痛恨の引き分けとなった。今季16度目の引き分けで、74年に並び球団タイ、パ・リーグタイ記録に並んだ。8回に3点を奪って1度は逆転したが、目の前にあった勝利を逃した工藤監督は「それだけ、最後を締めるというのは難しいということですよね」と神妙だった。

9回にコールされたのは、板東の名前。現在は森、モイネロが離脱中で、代役で抑えを務める岩崎は20、21日のロッテ戦で連続失点していた。22日の同戦では岩崎の3連投を避けるため、板東が9回のマウンドに立ち、プロ初セーブを挙げた。この日は岩崎のコンディションに不安があったため、代役ストッパーとして2試合連続で最終回のマウンドに送り出された。

先頭の愛斗を空振り三振に斬ったまでは、良かった。だが1死から呉念庭に四球。岸には左翼線に二塁打され、二、三塁のピンチになった。続く川越の内野安打で1点を返されると、外崎の内野ゴロが野選となり同点。中堅・牧原大の本塁好返球に助けられ、西武にサヨナラこそ許さなかったが、板東は「せっかく逆転してくれて、良い流れだったのにリードを守り切ることができず、すごく悔しいし、本当に申し訳ない」と唇をかんだ。

残り50試合を切り、試練の時を迎えた。今週はすべて敵地での6連戦で、週末には4・5差で追いかける首位オリックスとの3連戦も控える。勝負の1週間。思わぬ形でスタートを切った。【山本大地】