阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)が、快音とともにカムバックした。3点ビハインドの5回1死満塁。カウント2-2から藤嶋のスライダーを右中間へはじき返した。走者一掃の3点適時二塁打。試合を振り出しに戻すと、あふれる感情を乗せるように右拳を振りかざした。「1軍での試合は久しぶりだったから、なんとか早く打ちたいと。あの場面で打つことができてよかったよ」。

7月14日DeNA戦以来、48日ぶりの1軍戦。試合前に「3番 サード マルテ」のコールが響くと大きな拍手が起こった。「こんなに多くのファンに応援してもらっているから、100%のプレーを約束するよ」。4番サンズ、5番ロハスと続く「MSR砲」で球団初の外国人クリーンアップを形成。その先陣を切りハッスルした。

万全の状態だった。球宴後の一時帰国から再来日後、「2軍待機」の期間も打ちまくった。ウエスタン・リーグ5試合で13打数6安打、打率4割6分2厘、2本塁打。勢いそのまま、7回には遊撃へのゴロに全力疾走し、内野安打をもぎ取った。

「引き続き全力でプレーするために、準備を怠らずにやっていきたいね。前を向いて、チーム一丸で目の前の試合を戦っていくよ」

9回は遊ゴロで最後の打者となったが、復帰戦で5打数2安打3打点。「3番マルテ」。首位返り咲きには欠かせない存在だと、再認識させた夜だった。【中野椋】