広島鈴木誠也外野手(27)が、プロ3度目の3戦連発となる決勝の22号ソロを放ち、チームを2連勝に導いた。同一カード3戦連発は、16年6月17~19日オリックス戦の“神ってる”活躍以来、5年ぶり2度目。主砲の先制弾を皮切りに、奮起した打線も6点を奪い快勝。今季ヤクルト戦7カード目にして初の勝ち越しを決め、最下位を脱出した。

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すさまじい破壊音が、東京ドーム内に響き渡った。両軍無得点の2回、先頭打者の鈴木誠は、カウント0-1からの2球目、ヤクルト田口の高め141キロ直球を一閃(いっせん)。打球はカープファンの待つ左翼席上段に突き刺さる先制の22号ソロ。「(田口は)制球のいい投手なので、甘いところには来ないだろうと思って、打てるところを振ろうと。打てたので良かった」。プロ3度目の3戦連発で、打線に勢いをもたらした。

チームが苦戦を強いられてきたヤクルト投手陣を粉砕した。4回先頭では内角変化球をつまりながらも中前に運び、3試合連続マルチ安打を記録。今季ヤクルト戦は打率4割2分9厘、7本塁打、12打点と相性は抜群だ。「燕キラー」ぶりを遺憾なく発揮し、今季ヤクルト戦7カード目にして初の勝ち越しに導いた。

同一カード3戦連発は、緒方前監督から「神ってる」とたたえられた16年6月17~19日オリックス戦以来、5年ぶり2度目だ。当時と比べて今では立場も変わり、日本を代表する主砲に君臨している。ただ、鈴木誠は「記者の人だとか世間は過大評価しますけど、自分のことをすごいとも思わない。プロに入って1日1日必死でやっているだけです」ときっぱり。「毎年どうなるかわからないし、僕自身はずっと変わらないです」と心境を明かした。

今季は本領を発揮できない日々が続く中、自身の打撃フォームの研究など試行錯誤を積み重ね、復調の手がかりを探し続けてきた。主砲は「数多く自分のスイングができるようにはなってきましたけど、状態が上がってきているとかはわからないです」と言うが、最近10試合で7発と結果が、状態を物語っている。後半戦残り41試合。快音が戻った打棒で、チームを上位進出へと導く。【古財稜明】

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