阪神が優勝を逃すとすればどういうときか。それは「普段の野球」ができない状況になったときだろう。シーズン大詰めのここまで来ても巨人との首位争いは続いている。地力においては前回の直接対決3連勝が示すように阪神の方が、やはり、上だろう。

だがゲーム差から見てもまだ楽観できる状態ではない。次第にプレッシャーもかかってくるはず。さらに甲子園での試合が多く、ファンの声援も大きい。ここで「勝たなければ」という気持ちで固くなり、普段の投球、打撃、守備に影響してくるおそれはある。

今後の戦いも厳しい。よく「下位球団に取りこぼさない」などというが、今季に限ればそういう状況ではまったくない。3位のチャンスがあるチームが多く、どこもモチベーションは高いのだ。「消化試合」など、どこにもない。

とにかく阪神は普段の力を出せれば強いはず。気持ちを乱さず、1つ1つのプレーをしっかり行っていくことが重要だろう。投手力は工藤、木下と若い力が出てきたが野手では、やはり森下、佐藤、大山のクリーンアップ頼みの状況だ。ここは今更どうこう言っても仕方がない。もっとも大事なのはこの面々がしっかりプレーすることだ。

死球が多い森下は踏み込んでいく打撃スタイルなので、どうしてもそうなってしまう。自分も同じタイプだったので分かるが、それは特性なのでどうこうは言えない。当然、攻めも厳しくなるし、相手は乱そうと思って攻めてくる。ここでも気持ちの面で崩れないことが大事だ。

審判の判定に関して不満を見せるケースもあるようだがこれは避けたい。監督のとき選手に「審判は敵ではない」と強く言ったこともある。とにかく「普段の野球」を見失わないことだ。(日刊スポーツ評論家)

セ・リーグ優勝ライン(7日現在)
セ・リーグ優勝ライン(7日現在)