新潟はホーム最終戦で福島に7-2で快勝した。先発の中園大樹投手(21)が7回を被安打6の1失点に抑える好投。最速145キロの速球に、変化球を有効に使って6三振を奪った。自己最長7イニングを投げ抜き、今季2勝目。チームの今季ワースト連敗を6で止めた。

余分な力は入っていなかった。「腕だけ走らせるイメージ」で投じ、この日の最速は7回に記録した145キロ。140キロ台の速球を投げ続け、5回までの被安打は内野安打1本だけだった。今季は中継ぎからスタートしただけに「7回は初めて」という7回に4安打などで1失点した。

「8割くらいの力」で投げていた中園は心も自然体だった。決め球フォークが決まらないとみれば、投球の組み立てを迷わず変更。「直球でファウルをもらい、スライダーで打ち取る配球がハマッた」と8月2日以来の今季2勝目を振り返る。橋上秀樹監督(55)は「今季一番成長した投手」と話し、「直球以外の球種でもストライクが取れるようになった」と続けた。

大学進学の選択肢を捨てて新潟に入団し3年目。1年目は右肘炎症で5月からまるまるシーズンを棒に振ったが、確実に成長を遂げてきた。「野球だけできる環境をもらっているから、大学生より成長しなければならない」。

今季リーグ戦残り試合は4。NPBドラフト(10月11日)での指名を待つことになるが「強く意識せずに残りの試合でいい結果を残したい」と話した。【涌井幹雄】