あるぞ、大山4番復帰-。首位に返り咲いた阪神が7日から3位ヤクルトと甲子園で3連戦に臨む。井上一樹ヘッドコーチ(50)は相手との相性を考慮して日替わりオーダーを継続することを示唆。そこで浮上するのが、大山悠輔内野手(26)の4番復帰だ。前カードの巨人戦ではサヨナラ弾を放つなど大活躍で2勝1分の勝ち越しに貢献。首位奪還の立役者を軸に、ヤクルトも迎撃する。

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勢いを取り戻した猛虎が、復活した主砲のバットで3位ヤクルトも迎撃する。巨人3連戦は驚異的な粘りを発揮し、2勝1分けで首位を奪還。井上ヘッドコーチは「オーダーは固定じゃなく、対戦する投手に対して、何がベストか考えていく」と日替わりオーダーの継続を示唆。今回の3連戦も相性や状態などを考慮し、ベストの布陣を組む考えだ。

そこで浮上するのが、大山の4番復帰だ。巨人戦では3試合で12打数6安打の打率5割、5打点の大暴れ。4日には9回に巨人守護神ビエイラから左翼へ起死回生の逆転サヨナラ2ランを放った。お立ち台では9月1日の中日戦に続き「死ぬ気で打ちにいきました」の熱いコメントで虎党を沸かせた。

後半戦は不振が続き、2度スタメン落ちするなど苦しんだ。全体練習前に早出特打を行うなどして、打撃の感覚を取り戻すことに努めた。スタメン復帰となった9月1日中日戦から4戦連続安打。勝ち越し打、同点打を含む猛打賞、そしてサヨナラ2ランと3連勝の立役者として3日連続でお立ち台に上がった。首位奪還の立役者となり、主軸復帰への機は熟した。4番復帰となれば、8月27日広島戦以来となる。

大山は今季セ5球団でヤクルト戦を最も得意としている。打率3割2分6厘、2本塁打、11打点。7月8日に雨の神宮で7番降格に燃えて打った勝ち越し10号3ランの印象も強い。2戦目に対戦予定の小川には今季4打数3安打4打点と攻略している。大山が打点を記録した試合は28勝4敗、勝率8割7分5厘とチームの勝利に直結している。

ペナントレースは巨人、ヤクルトとの三つどもえの争いが続くが、2カード連続で勝ち越せば、混戦を抜け出す可能性がある。矢野監督は「1個ずつ取っていくしかない。自分たちの野球をやれば勝つんだというのが一番強い」と話す。主将の大山を中心に一丸野球でツバメものみ込む。【石橋隆雄】