中日渡辺勝外野手(27)が2号3ランで9月初の連勝に貢献した。2-0の2回2死一、二塁。巨人先発メルセデスのフルカウントからの144キロ直球を見逃さず、代名詞の一本足打法から右翼席へ一直線に運んだ。「真っすぐのタイミングで外を待っていました。最高の結果になりました」。1回に見逃し三振を喫した直球を仕留め、追撃弾とした。

東海大相模(神奈川)と東海大の先輩、巨人原監督の前で打てた1発に喜びも倍増だ。「打てたのは光栄です。最近は僕を認識していただけるようになりました。雑談もしゃべれるようになったのがうれしいです」。東海大から15年育成ドラフト6位で入団。3桁の背番号で3シーズンを過ごし、ようやく支配下選手になった。原監督に初対面したのは19年の沖縄キャンプで、今ではようやく試合前に話せるようになった。

王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)を育てた荒川博氏(故人)が主催する「荒川道場」で、中学時代に一本足打法を直接伝授された最後のプロ野球選手として知られる。「荒川さんも褒めてくれるんじゃないですかね」。天国の師匠にも朗報を届けられた。

8月13日に今季初めて1軍昇格し、1カ月。2番打者として、3ラン以外に2四球も選んだ。存在感を高める渡辺に対し、与田監督も「効果的だった。渡辺の良さが出ていた。チームの主力になってくれている」と目を細める。ここまで3盗塁、5犠打もマーク。1発だけでなく、俊足も小技も光る「竜のフラミンゴ」が頭角を現している。【伊東大介】

▽中日福田(初回に先制2点二塁打) チャンスの場面でいい形で点がとれて良かった。

▽中日京田(猛打賞で10試合連続安打) 練習でやってきたことが少し出せている。投手が頑張っているので1点でも多く取れるようにやっていきたい。

▽中日福(6回1死で登板し、代打広岡、岸田を打ち取り、18ホールド目) 右の代打をしっかりイメージしていたことが、いい結果につながりました。

▽中日又吉(13試合連続無失点で27ホールド目) (8回無死一塁での三振併殺は)木下(拓)に助けてもらいました。ボールカウントが先行したことを反省して明日からも頑張ります。

▽中日木下拓(8回に盗塁阻止で三振併殺) 走者のスタートも良くなく、又吉もいい球を投げてくれたので、落ち着いて送球した。