ENEOSは、ルーキー左腕の好ロングリリーフが勝利を呼んだ。

雨中での決選。先発の関根智輝投手(22=慶大)は制球を乱した。初回に2四球が絡んで1点を失い、2回には2死一、二塁を招く。ここで、大久保秀昭監督(52)は「最悪のケースを想定して、準備はしていた」と、早くも加藤三範投手(23)にスイッチした。

加藤は東芝・長沢を空振り三振で追加点を与えなかった。そこから8回まで投げ、計6回1/3、4安打無失点。0を並べる間に打線の同点、勝ち越しを呼び、勝利した。

途中、何度も試合が止まるほど、激しい雨となった。それでも「変に抜けて、真ん中にいって長打は避けたかった。失点につながる。丁寧に、低めに投げました」と冷静だった。いつもより半歩ほど踏み出し幅を狭め、ぬかるむマウンドに対応。試合の中で捕手・柏木と話し、スライダーの修正もできた。

入社1年目。成長の理由を問われ「大久保監督との出会いが大きいです」と答えた。「練習でできないことは、本番でもできない」と言われたことが心に響いた。「もう学生ではありません。お金をいただいて野球をしている。投手としての姿勢を、先輩方に学びました。一層、意識していかないといけません」と、日々の練習から心持ちを変えたことが、成長につながっている。

15日の三菱重工East戦に勝てば、本戦出場が決まる。ロングリリーフしたばかりだが「準備してます」と頼もしかった。