秋季リーグ戦が開幕し、春夏連覇を狙う慶大が大勝スタートを切った。春から打順を組み替え、東大に16安打15得点。2番に入った福井章吾主将(4年=大阪桐蔭)が3安打3打点を重ねた。

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打順は変わっても、やることは変わらなかった。福井は「1番と3から5番に、いい打者がいる。つなぐ役割。自分のことより、相手が嫌なことをする」とチーム打撃に徹した。初回無死二塁に中前打で好機を広げ、先制点につなげた。2回2死一、二塁では、相手左翼が打球を見失う三塁打。「ラッキーなヒット」で2点を追加した。4回は文句なしの右越え二塁打を放ち、9回1死二、三塁では二ゴロで1点を加えた。

春は8番か3番だったが、成長著しい広瀬を3番に据えた結果「何でもできる」(堀井監督)と適応力を買われ、2番に回った。結果で応えたが、試合前から適応力を見せていた。開会式で春優勝校主将として選手宣誓を行った。東京五輪・パラリンピックに触れつつ、コロナ禍で野球ができる感謝を述べた。実は、2週間前には文言をつくり「先輩に添削してもらいました」と、2年上のOBで現NHKアナウンサーの小原和樹氏に見てもらった。日本語のプロのお墨付きをもらい、難なく大役を終え、あとは試合に集中した。

捕手としては3投手を引っ張り、1失点リレー。強さを見せつける初戦勝利だったが「後半は、ふがいない打撃もあった」と気を抜かない。1戦ずつ、連覇の頂へ進む。【古川真弥】