巨人の公式マスコットガール「VENUS(ヴィーナス)」は、連日ダンスやイベントで試合前やイニング間の東京ドームを盛り上げている。今季は総勢22人。選手とともにリーグ3連覇を目指すメンバーに、パフォーマンスに懸ける思いなどを聞いた。

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「VENUS」の市川珠葵(たまき)さんは、未来を担う最年少メンバーだ。静岡の「巨人ファン一家」に生まれた。テレビ中継は巨人戦が通常モードで、年1回程度は、はるばる東京ドームに観戦に訪れた。そこで「広いドームで踊っているキラキラしたお姉さんを見て、すごいなと思った」とオーディション受験を決心した。

バレエやチアの経験はあった。ただ、ステージとは訳が違う。「こんなに広いところで踊れるところはない。360度お客さんがいる。お客さんを見ると、『ああ、すごい、またいっぱい来てくれてるな』とうれしい気持ちでいっぱいになります」。1年目ながら楽しさがあふれる。もう緊張はしなくなった。

“最年少だからこそ”を追求する。加入当初はできることの範囲が狭く、「自分がVENUSの一員として何ができるんだろう」と思い悩んだこともあった。ただ、今は考え方も前向きに、シンプルになった。「最年少だからこそ、気合も体力もパワフルさも、一番発信できると思う」。今、自分にできることが何かを気付いた。

巨人ファン一家に生まれたからには、大きな使命がある。「ジャイアンツファンを増やしたい。『(見てくれた人を)ファンにしちゃうぞ』ぐらいの勢いをもっと作っていきたい」。希望と目標を胸に、観客を魅了する。【小早川宗一郎】