ルーキーが連敗を止めた。ロッテ河村説人投手(24)は4回に初のピンチを迎えた。1死二、三塁で打席には西武山川。初球、115キロで意表を突いた。「カーブの感触がすごくよかった。(打者が)待ってないボールだったのでよかったと思います」。見逃した山川は思わず苦笑い。ペースを崩し、4球で空振り三振に仕留めた。

強気で向かい、5回まで4安打無失点。6回に「本塁打で逆転(の場面)だったので丁寧にいきすぎた」と走者をためて降板したが、最少失点にとどめた。気付けば7月の先発転向後、3戦全勝の3勝目を手にしていた。

「とにかく連敗を止めるというのを目標にマウンドに上がりました」。出番はチーム3カ月ぶりの3連敗で回ってきた。直近2試合は先発が5回持たなかった。緊張した。その気持ちごと制球した。仲間への信頼がある。学生時代から勝ち運があった。「味方が打ってくれることが多かったので」。過去2度の先発試合で本塁打したレアードが、3度目も打ってくれた。

今“正しい場所”にいると感じる。「優勝を目指してキャンプからやってきたので、今いる場所が何というか、正しいというか。そういう状況でやれていることがうれしい」。ドラフト4位として参加した新人合同自主トレでは「1年目はまだ先発で回れる実力がないと思う。先発が好きですけど、そこに至っていない」と話していた。スタートこそ中継ぎだったが、先発としてチームを、半年ぶりの4連敗危機から救った。

中継ぎ陣は、2死満塁をしのいだ唐川から4人がパーフェクトリリーフ。休養を挟んだ益田も9日ぶりの登板で、自己最多を更新する34セーブ目を挙げた。優勝のゴールテープを切る日まで、「正位置」で走りきる。【鎌田良美】

◆河村説人(かわむら・ときと)1997年(平9)6月18日、北海道むかわ町生まれ。白樺学園3年夏に甲子園に出場し、初戦の下関商戦に3-4で敗戦。亜大を1年夏で退学し、17年春に星槎道都大に再入学。昨秋は3勝1敗、防御率0・62でリーグ優勝に貢献しMVP。20年ドラフト4位でロッテ入団。192センチ、87キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸800万円。

▽ロッテ井口監督(河村に)「本当に強気の投球をしてくれてよかった。また次回こちらも期待したいと思いますし、加藤もいいリードをしてくれた。(後半も)中継ぎがしっかり抑えてくれたと思います」

▽ロッテ・レアード(マーティンに並びチームトップの25号2ラン)「打ったのはスライダー。すごいっすね~! 先制した後に続くことができてよかったよ。今日のネタは中トロだよ!」

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