ヤクルト村上宗隆内野手(21)が自己最多をさらに更新する38号2ランを放ち、18年岡本和(巨人)の22歳を上回る史上最年少で100打点に到達した。

1回2死一塁、中日小笠原の初球を右翼席中段へ。前日、中日投手陣にわずか1安打に封じられた打線を勢いづける先制弾となった。若き4番に導かれ、チームは10連戦の最後を16得点の圧勝で締めくくった。8連勝は10年ぶり。2位阪神とゲーム差なしの首位を守った。

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しっかり待って振りきる。“らしい”スイングで村上は柵越えを確信した。打球の行く末を見送って悠々と走りだす。自己最多、巨人岡本和に並んで両リーグトップの38号2ランで、打点を100の大台に乗せた。「シーズン始まる前に1つの目標としていた。達成できてよかったです」。前日は無得点で引き分けていた。決勝点でもある先制弾に満足げな笑みを浮かべた。

19日の通算100号に続いて、またも最年少記録を塗り替えた。19年オフの契約更改、会見場に入室するなり「目標を言いたいと思います!」と切り出し、「3割30本100打点」を掲げた。中距離打者向けミドルバランスのバットで打率と飛距離を両立したが、昨季は86打点どまり。迎えた4年目。3割30本100打点を「最低ライン」に設定し直し、20試合以上を残しての有言実行となった。

打点増イコール、役割を果たせている。「前を打つ先輩方がチャンスで回してくれる。チャンスで打つのが4番の仕事。打ててるんだなという実感が湧いてきました」。アベック弾の山田とは、ベンチで相手投手の球の走りや調子について意見交換する。参考にしつつ、打席での肌感覚を大切にしている。2軍で牙を研いだ1年目。とにかくフルスイングした2年目。配球を読めるようになった3年目。球を呼び込んで見るからボール球を振らない。着実に確実性を上げてきた。

優勝争いをする最高の環境下で、30発と100打点をクリア。昨季はともに岡本和に次ぐ2位に甘んじた最多打点、本塁打王のタイトルも視野に捉えている。「狙えるならばしっかり狙って取りたいと思いますし、とにかく優勝することを考えて頑張ります」。チームは12試合連続負けなし。10年ぶりの8連勝とV街道をひた走る。白星も村上の記録も、まだまだ止まりそうにない。【鎌田良美】

▼21歳の村上が初回に38号を放ち、100打点に到達。21歳シーズンに100打点は18年岡本和(巨人)の22歳を抜く最年少記録だ。村上のイニング別打点は初回の32点が最も多く、序盤3回までの打点が昨年の31点から53点へ大幅増。今季は全打点の半分を3回までに挙げている。これで本塁打はトップに並び、打点は6打点差の2位。過去に21歳以下のシーズンに本塁打と打点の2冠は53年中西(西鉄=20歳)しかおらず、セ・リーグの最年少2冠は58年長嶋(巨人)62年王(巨人)の22歳。63年王と85年秋山(西武)の23歳を抜く最年少40号、ONを抜く21歳で2冠など、楽しみな記録が待っている。