阪神からドラフト2位で指名された創価大・鈴木勇斗投手(4年=鹿屋中央)は、顔を赤らめてうれしそうな笑みを浮かべた。指名会見の席に座り「本当に指名していただいてうれしいし、ホッとしています」と第一声で声を弾ませた。

憧れの甲子園のマウンドだった。高校時代はチームの遠征で毎年、夏の甲子園大会を観戦していた。「プロであのマウンドで投げられるのはうれしい。高校野球だけで、プロの試合は見ていないんですが、楽しみです」とタテジマのユニホーム姿が目に浮かぶ。阪神で憧れの選手を聞かれると「同じ左なので、高橋投手です。目指している投手なので1度、話を聞いて勉強したいです」。緊張のあまり、他の質問には言葉に詰まることもあったが即答した。

身長173センチながら体重は85キロ。ブレザーを着ている上からでも、ガッチリしたマッチョ体形なのは一目瞭然だった。コロナ期間ではウエートトレーニングで下半身と体幹を鍛え続け、高校時代から課題だった制球力がアップ。思うように制御できなかったMAX152キロの速球は威力を増した。堀内監督も「体はちっちゃいですが、ケガをしない強い体がある。連投もできる。どんどん投げられて、ケガをしないから経験値もあがるし、もっと伸びますよ」と太鼓判を押す。

プロで対戦したい打者は決まっている。「ヤクルトの村上選手です。同級生だし、真っすぐで勝負したい」と真っ向勝負を宣言した。同じ九州で、熊本の九州学院にいた村上は超有名選手だった。「1度だけ練習試合があったんですが、その時はぼくが投げなくて対戦できなかったんですよ。プロに入ったら、ぜひ対戦したいと思っていました」と隣県の“大物同学年”への思いを口にした。

好きな色を聞かれると「赤」と答えてしまった。阪神のチームカラーは黄色といわれ「黄色が好きになると思います」と笑った。おちゃめな性格で、関西向きのキャラクターをにおわせていた。【小島信行】