プロ野球ドラフト会議で阪神から3位指名された新潟医療福祉大・桐敷拓馬投手(22)は運命の日から一夜明けた12日、同大でトレーニングした。

ブルペンでは球種を告げながら30球。捕手を中腰にさせたままだったが、ミットは小気味いい音を響かせた。「ここからがプロへのスタート。この期間に身体、投球を1ランク上げたい。ドラ1でも、育成でも、プロは結果次第で生き残れる世界」。強い覚悟だった。

雪深い地方大学から阪神の3位指名を受けた。天候など、厳しい環境ながら「結果的によかった」と埼玉・鴻巣市出身の桐敷は言う。雪に閉じ込められる冬は、室内練習に終始するが、筋トレで体重を10キロ増量して90キロ(178センチ)。ブルペンでも状況を想定しながら投げてきた。しかも、新潟医療福祉大は13年創部の9年目で育成を含めたドラフト指名投手は4人だ。

第1号は中日・笠原祥太郎投手(26)だが、桐敷は「同じリーグ。投げ合う機会があったら勝ちたい」と先輩に挑戦状をたたきつけた。阪神と同じような縦じまのユニホームに袖を通したことは過去、1度もない。「縦じまのユニホームが似合う成績を残したい」とルーキーイヤーから突っ走る決意だった。