ソフトバンクが3点差逆転勝ちで、CS出場へ首の皮一枚、望みをつないだ。2-5の8回2死満塁で柳田悠岐外野手(33)が中前へ2点適時打。楽天の中継プレーが乱れる間に、一気に同点に追いついた。「とにかく集中して打席に入りました。真っすぐをしっかり捉えることが出来ました。チャンスで打つことが出来てよかったです」。10月は49打席目で初打点となった。

主砲の一打で勢いづくと、直後の2死二塁で代打川島慶三内野手(38)が勝ち越しの適時三塁打を決めた。「中継が乱れて同点になったじゃないですか。僕は同点になると思わなくて追いついたんだってなって。ちょっとは気が楽に打席に入れたんじゃないかなと思ってます」。今月5日に38歳になったベテランが集中力を見せた。

同じ代打の切り札だった長谷川は今季限りでの現役引退を発表。近年は「右の代打は川島」「左の代打は長谷川」として常勝ホークスを支えてきた。「長谷川とは切磋琢磨(せっさたくま)して右と左でやってきた。その中で結果を出そうと2人で言ってきた仲間。あいつほど野球に向き合ったやつはいないので、自然と身が引き締まる思いで日々やってます」。けがに苦しみ、引退会見では涙を見せた仲間にささげる決勝打にもなった。

残り7試合で3位楽天と5差。Bクラス確定は目前だが、工藤監督は「常にもう1点、もう1点という野球をやっていければ望みはあると思ってます。最後まで諦めないで頑張っていきます」と、ファイティングポーズを崩さなかった。【只松憲】

 

▽ソフトバンク松本(約5カ月ぶりの先発登板で4回2失点投球)「先制してもらっただけに、粘ることができなくて悔しいです。野手の方に助けてもらい、何とか試合を壊すことなく投げられたと思います」

▽ソフトバンク古谷(8回無死一、二塁のピンチを招くも無失点投球でプロ初勝利)「前回(8日の西武戦)の登板でチームに迷惑をかけてしまったので、今日は強い気持ちで投げました。四球を出してしまったり、反省点はありますがチームの勝ちに貢献できてうれしい」