簡単には引き下がらない。ヤクルトは執念で巨人に競り勝った。2度リードを許すも、1点を追う7回にホセ・オスナ内野手(28)が13号3ランを放って逆転した。ドミンゴ・サンタナ外野手(29)は、2本塁打を含む4安打3打点の活躍。今季やってきた優良助っ人コンビの活躍で、優勝へのマジックを6に減らした。
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同学年の助っ人が、チームを救った。1回に3点を先制され、苦しい展開となった序盤。2回1死走者なしでドミンゴ・サンタナ外野手(29)が、左中間へ2戦連発となる16号ソロを放った。2点を追う6回無死二塁では、バックスクリーン右へ同点の2ラン。「最高の気持ちが出てしまった」と一塁を回りながら、右腕を全力で振って感情を爆発させた。4安打3打点で打線をけん引した。
相棒の奮闘に、仕事人“オスナ13”は黙っていない。再び逆転を許し、1点を追う7回無死一、二塁。カウント1-1から内角低めの144キロ直球をフルスイング。打球を左翼席中段に突き刺した。188センチ、106キロのがっしりした体格。キリッと整えられた眉。鋭い眼光。「ゴルゴ13」の登場人物、デューク東郷をほうふつとさせるいでたち。依頼を受けて海を渡ってやってきた背番号13が、1球で仕事をやってのけた。打った瞬間本塁打を確信。仲間のいる一塁側ベンチに向かってほえ、右手で左胸を強く2度たたいた。
“一枚岩”の精神はすでに染み付いている。オスナは一塁守備時、ピンチで野手がマウンドに集まると、日本語が理解できなくても、いつも輪に加わる。「山田が通訳してくれてるよ」と笑顔を見せた。これで優勝へのマジックを6に減らした。「チームだからこそお互いがカバーし合って。それが今の強さ。一丸となっていい勝利だった」。ともに来日1年目。常に行動をともにする仲良しコンビで6年ぶりのセ界制覇へ導く。【湯本勝大】
▽ヤクルト高津監督(オスナ、サンタナの両外国人選手の活躍に)「打点とか長打力とかが去年なかった部分。それを期待して、2人にはメンバーに入ってもらった。今日は本当に、まさにその通りの仕事をしてくれたと思います」
▽ドミンゴ・サンタナ
◆生まれ 1992年8月5日、ドミニカ共和国生まれ
◆投打 右投げ右打ち
◆守備位置 外野手
◆年俸 1億400万円
◆サイズ 195センチ、104キロ
◆経歴 アストロズ-ブルワーズ-マリナーズ-インディアンス
◆愛称 ミンゴ
◆決めポーズ ヒゲを触る
◆性格 真面目
◆リラックス方法 各地で日本文化に触れること
◆日本で気に入った部分 礼儀正しさ、大自然、治安が良いこと
▽ホセ・オスナ
◆生まれ 1992年12月12日、ベネズエラ生まれ
◆投打 右投げ右打ち
◆守備位置 内野手
◆年俸8400万円
◆サイズ 188センチ、106キロ
◆経歴 パイレーツ
◆愛称 ホセ、ビッグオー
◆決めポーズ ハート
◆性格 落ち込まない、陽気
◆好きな食べ物 ラーメン、焼き肉
◆リラックス方法 家族と連絡すること
◆日本で気に入った部分 時間を守る文化、整理整頓がしっかりしていること、人が優しいこと