優勝へ、どでかい1発だ! 1-1の9回2死一塁。ロッテ岡大海外野手(30)が左中間最深部へサヨナラ6号2ランを飛ばし、優勝マジックを「8」に減らした。

残り9試合となる中で、極めて大きなサヨナラ弾。9回2死での本塁打は今季3発目という救世主は、8番打者に堂々君臨。ゲームセットまであきらめないロッテが、2年連続のCS進出をまず、決めた。

   ◇   ◇   ◇

岡がかち上げた瞬間、ZOZOマリンが「!?」で包まれた。どんどん高まる歓声。その大飛球がグラブでキャッチされた。左中間スタンドで待つロッテファンに、しっかりと。

「いやぁ、もう本当に入った瞬間、やってやったって気持ちでまわりましたね。声援も聞こえましたし、本当によかったです」

広いストライドで駆けると、ホームでは仲間たちの手荒い祝福が待っていた。エチェバリアからは恒例の尻キックも。赤いタンクも見つけてしまった。同世代のムードメーカー三木がニヤニヤと持っている。

「不意にやってほしかったですけどね。見えてしまったので、ついつい逃げてしまいました」

最後は一塁近くで観念して、背中に氷水を一気にぶっかけられた。皆の気分が高まり、タンクを受け取った中村奨がなぜか安田にかぶせた。「言葉というより、みんな一緒にはしゃいでくれたので、あの雰囲気がいいと思います」と喜んだ。

4月21日、同じマリンでの日本ハム杉浦からのサヨナラ弾。杉浦からは10月10日も同点弾。この日で9回2死からの値千金弾は3本目だ。「今日は1、2打席目でいい当たりを打ってるのになと思いながら、最後いいところで打てたらいいなと」。周囲やファンは“ヒロミナイト”と盛り上がるも、特に9回2死にまつわる秘密はないようだ。

科学的でないからこそ、目に見えぬ勢いを生む。マジックを8に減らし、CS進出も決めた。それでも感極まることはない。

「いやぁ、まだまだ優勝に向けてやっていかないといけないですし、それは優勝してからで」

意外な場面でけん制死することもあれば、想像を超える1発も。この男、振り幅大。規格外の仕事が今季これで終わりとは、到底思えない。【金子真仁】

▽ロッテ井口監督(CS進出決定について) 我々が目指しているところはそこではないので。パ・リーグ1位になることを目指して、残り9試合、しっかり戦っていきたいです。

▽ロッテ岩下(制球に苦しむも5回1失点) 長いイニングを投げられませんでしたが、今日は初回からバテようが球数が多くなろうが全力で行くと決めていました。