天理大が2017年以来5度目となる春秋リーグ連覇を決めた。

15日、大阪・南港中央球場での甲南大戦を3ー0の勝利で王手をかけ、この日、大産大が大体大戦に敗れて達成した。天理大はエースの井奥勘太投手(4年=立正大淞南)が散発3安打の完封ピッチ。打線は6回1死満塁、初の5番に起用された主将・岩本大輔外野手(3年=敦賀気比)が先制2点適時打を放つなど打者9人の猛攻を決めた。天理大は11月の明治神宮野球大会をかけ今月31日からの関西地区大学野球選手権大会に出場する。

大一番にエース・井奥が躍動した。切れのある真っすぐにチェンジアップなど多彩な変化球で甲南打線に計100球、三塁も踏ませない堂々の内容で自身今秋リーグ戦初の完封白星をマークした。「秋は完封というより1イニング目から力入れて、と。2年後にプロに行くにはもっと馬力を上げないといけないし、スピードも求めたい。その目標の中で今日の完封につながったので、1試合1試合、成長していると思う」。今春リーグから負けなしの11勝目。“刺激”になっている存在がいる。

巨人にドラフト1位で指名された関西国際大の翁田大勢投手(4年=西脇工)だ。高校時代に2人は練習試合を通じて知り合い、投げ合うことこそなかったが、互いに連絡を取り合う仲になった。そして今回、社会人パナソニック入りが内定している井奥とは、違う道を歩むこととなった翁田に「僕は頑張って2年後(のドラフトで)追いかけるわ」とLINEで熱く伝えたというのだ。

そんな井奥の存在もチームにとっては大きい。連覇を果たした藤原忠理監督(55)は「ほっとしました。チームは4回生が教育実習などで抜ける中、若い選手を育てながら勝利を重ねていくという目標でやってきました。(今秋最終戦の)明日も勝って気持ちよくリーグ戦を終えたい」と話した。