東海大が2-0で日体大に勝利し、4季ぶり74回目の優勝を飾った。巨人に育成ドラフト3位で指名を受けた東海大・亀田啓太捕手(4年=東海大甲府)は、最後の打者を打ち取ると、高杉勝太郎投手(4年=東海大札幌)の元へ駆け寄った。「大変な1年だった。自分たちの代で優勝できて、うれしいしか言葉が出ない。ホッとしました」と笑みがこぼれた。

バッテリーで、完封を引き寄せた。初回、直球を狙われ1死満塁のピンチ。内野ゴロ2つでなんとか無失点でしのぐと、2回からは「左打者にタイミングが合っていない」とチェンジアップ主体の配球に切り替えた。連打は1度のみで、日体大打線を抑えた。春季リーグ戦は、あと1歩で優勝を逃した。今年から指揮をとる井尻陽久監督(69)に「内角を有効に使うこと。先頭打者を抑えること」と厳しく指摘され、練習から配球を意識。この日、先頭打者を許したのは2イニングのみ。井尻監督も「実戦でちゃんとできていた」とうなずいた。

4回には、2死三塁で初球の直球をとらえて右前打を放った。先制点を挙げ、一塁上でユニホームを引っ張って胸の「Tokai」をアピール。「ロースコアで(試合が)進むと思っていた。チームにとって大きな1点だったと思う」と話した。視察した巨人の内田スカウトは「打撃には元々パンチ力がある。リード面もよかった」と評価。扇の要を中心に、東海大の時代を再び築いていく。【保坂恭子】