東海大北海道が延長14回、4時間2分の激闘の末、東農大北海道を4-3で下し、2年ぶりの神宮切符に逆王手をかけた。14回表2死一、二塁で、浦田純平三塁手(4年=東海大札幌)が左前に落とす決勝打。「ここで打たないと4番じゃないと。決めることができてよかった」とほっとした表情を見せた。

浦田をはじめ、4年生の意地を結集させた逆転勝ちだった。5回から登板した左腕の正岡翔也(4年=稚内大谷)は7回無失点。「打てるなら打ってみろと強気な気持ちで」。リーグ戦3試合を含む5試合、14回2/3を無失点でチームを支えている。3点を追う7回は8番中野直哉捕手(4年=東海大諏訪)が中越えに起死回生の同点3ラン。「少し詰まったかなと思ったが、気持ちで」と、公式戦初アーチで試合を振り出しに戻した。

コロナ禍で途中打ち切りとなった春季リーグ戦を3位で終了後、就職活動などを理由に4年生数人が引退した。中野も野球に区切りをつけようと考えていた。練習もほとんど参加していなかったが、チームメートの「一緒に全国を目指そう」という言葉に刺激され、この秋を戦っている。

第1戦は0-2で競り負けたが、2試合連続となった延長戦を制し、2戦先勝方式で1勝1敗。19年に続く3度目の神宮進出を目指し、勝負を第3戦に持ち込んだ。日下部憲和監督(69)は「熱い戦いをしたい」と話し、中野は「絶対勝って全国で優勝したい」と意気込んだ。【山崎純一】